解体工事で電気を止めたら、工事中の電気の使用はどうなる?電気代は誰が支払うの?

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すべてのライフライン(インフラ)を止めてしまわなければいけない解体工事の作業中、もし電気を使いたい場面になったら、一体どうするのでしょうか?気になりますよね。

電気の確保はどうするのか、また工事中に電気を使った場合の電気代は誰が払うのか、気になり始めると細かいことまでいろいろ疑問が浮かんできます。

今回は解体工事中のライフライン停止のお話、特に「電気を停止したら工事中はどうなるの?」という点に焦点を当てて見ていきましょう。

解体工事中のライフラインの扱い

ライフラインとは、いわゆる「インフラ」のことで、電気・ガス・水道・電話などの生活を支える基盤・設備を指します。

解体工事の際には、建物をなくしてしまうためライフラインはすべて停止させます。このとき、ライフラインの種類によって「供給を停止するだけ」「管や線などは敷地外には残しておく」「すべて撤去」というふうに、対応が分かれます。

特に注意が必要なのが、電気です。

電気は供給を停止する手続きだけではなく、設備もすべて撤去しなければなりません。なぜかというと、詳しくは後述しますが、解体工事の最中に感電などの危険な事故につながりやすいからです。

工事中の安全確保はもちろん業者の責任ですが、準備段階ではもちろん施主の責任も大きなものです。業者からライフラインの扱いについては指示が出るはずですが、施主としてもきっちり遂行できるようにしておかなければなりません。

ところで、供給も止められ、設備も撤去された解体工事現場で、もし工事中に電気を使う場面になったらどうするのでしょうか?

解体工事中の電気の使用について

工事中に電気を使いたくなる場合がないとは言い切れないですよね。

電動工具や機械の動力として、電気は工事現場においても欠かせないもののはずです。その際、現場ではすでに電気の供給が停止され、設備も撤去済、当然電気は使えません。一体どこから電気を引っ張るのでしょうか。

電気は解体業者が用意する

結論から述べると、解体工事中の電気については、解体業者が発電機などの仮設電気用の機材を用意して持参するのが一般的であるため、心配はありません。

工事中の電気代を支払うのは誰か

このときにかかる電気代に関しては、これといって明確な決まりはなく、施主が支払うのか業者がもつのかということははっきりしていません。これも「大体の場合は」といういい方になりますが、施主がもつことになっているようです。契約の際の工事費用に、工事中の電気使用量も含まれていることがほとんどなのです。

ただ、ここは本当に業者次第であることが多く、あとからトラブルにならないようにするためにも、見積時や契約前にきちんと業者に確認しておきましょう。

使った分だけあとから追加請求します、といわれた場合も要注意です。使用分以上に上乗せした分を請求される恐れもあるからです。

最近はそこまで露骨にやる悪徳業者はずいぶん減ったといわれていますが、用心しておくに越したことはないでしょう。電気使用量や、実際の電力会社からの請求書といったものをきちんと確認させてもらうといいですね。

電気撤去の重要性

電気の停止に関する手続きは、一歩間違えば前述したように重大な事故につながる恐れがあります。

通電したままの電線に作業員が触れてしまって感電したり、きちんと撤去されていない電線を重機が引っ掛けてしまって、周辺地域が停電したり。最悪な場合、死者が出てしまうような重大事態につながることもあるでしょう。

解体業者もこのようなリスク管理はしっかり行っているため、解体工事が決まったらすぐに施主に「電気の停止と設備の撤去をお願いします」と連絡を入れることもあります。施主として責任をもって、しっかり対処しなければならないことなのです。

電気を停止する手順

次に実際に電気を停止し、撤去する手順について見ていきましょう。

繰り返しになりますが、解体工事の際には電気を「停止する」だけではなく、「設備や電線まで撤去する」ことまでしてもらう必要があります。重大な事故につながるのを防ぐためです。

その安全のため、注意点もいくつかあります。

まず電力会社に連絡を入れる

解体工事の日程が決まり、電気を止めてもいい日のめどがついたら、まずは電力会社に連絡を入れます。

このとき、可能であればインターネットで手続きしてもいいのですが、「停止」だけでなく「設備撤去」も依頼するといったことなどを考えると、行き違いなく確実に伝えるために電話で直接連絡することをおすすめします。余計な時間がかかるといった心配もないでしょう。

ここでもっとも注意しなければいけないのは、「現在の建物を解体工事するため、電気の撤去依頼をしたい」と、はっきり伝えなければならないという点です。これは必ず、忘れないようにしなければなりません。

というのも、通常の電気停止手続きではメーター・アンプブレーカー・引き込み線などは撤去しないため、強調して明確に伝えないと、停止扱いだけになってしまい、設備撤去は行われない恐れもあるからです。

解体工事中の事故を防ぐためには、電気停止だけでは足りないということは前述した通りです。十分注意しましょう。

それから電力会社に伝える内容は、次のようなことです。

・電気契約者の氏名

・連絡者の氏名、連絡先電話番号、関係

・電気を停止・撤去する場所の住所

・撤去する時期

・お客様番号もしくは電気メーター番号

お客様番号やメーター番号は、電力会社からの検針票や請求書、電気メーターなどで確認することができます。

電気設備の撤去工事は、上記のように連絡を入れてから最短でも5営業日後からの開始となります。しかしこれはあくまで「最短」なので、繁忙期や電力会社の対応次第ではさらに撤去工事開始が遅くなる可能性があるのです。

さらに、電気停止だけなく設備撤去まで行う場合は、住民の立ち合いも必要となります。つまり、撤去工事の日にはこちらもスケジュールを空けておかなければならないのです。

したがって、できるだけ早めに連絡を入れなければ、解体工事開始に間に合わないという事態も起こりえます。電気の撤去工事ひとつ遅れるだけで、解体工事の工期も後ろにずれ込んでしまう可能性があるのですね。

スケジュールには余裕を持って連絡しておきたいところですが、あまりにも早くに電気を使えなくしてしまうと、今後は引越し前の生活に支障が出かねません。まだここに住んでいないといけないのに、電気が使えなくなってしまった…というのは困りますよね。

引越しのスケジュールと、うまくバランスを取って撤去工事の日程を決めるようにしましょう。

電気撤去工事当日

電気の停止作業後、メーターやアンペアブレーカーなどの電気設備・引き込み線などすべてのものが電力会社によって撤去されます。

ここまで行って、ようやく解体工事に支障のない状態となります。施主としては、しっかりと安全確保の義務を果たせたことになるでしょう。

まとめ

・解体工事中の電気は、業者が発電機などでまかなってくれる

・ただしその際の電気代は、施主が支払うのか業者が支払うのかに明確な決まりはなく、両者の取り決めによる

・電気停止の際は「停止」だけではなく、「設備撤去」であるということも必ず電力会社に伝えること。安全確保という点での施主の責任でもある

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